「ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
・・・というタイトルにヤラレタ。(^o^)
北斎の有名なお言葉。
そう言えば、写真家のアラーキーこと荒木経惟さんが『写狂老人日記』という写真集を出してましたな〜。
そう言えば、アラーキーはどしたんだろ?
元気かな?
そのオリジナル。
「ワタシは6歳の頃から物の形を写す癖があり、50歳の頃から数々の作品をこの世に出してきたが、70歳より前に描いた絵は取るに足らないものばかりだ。
73歳になってやや、鳥や獣、虫や魚などの骨格や草木の在りようが分かって来たんだわ。
そうして80歳になる頃には、そういうことがもっとわかるようになり、90歳にもなれば、なお、その奥義を見極めることができるようになるであろう。
100歳になれば、神妙の域になるだろう、
110歳ものなれば、1点が1格にして、そりゃあもう、まるで生きているなのように描くことができるだろう。
長寿をつかさどる君子よ、ワタシの言うことが嘘ではない、ということを見て欲しいのだよ」
(だから、そこまで生きながらえさせてくれよ)
・・・というような感じ?
そう言いながら、享年90。
『北斎漫画』というが、そもそも「マンガ」という言葉はここから当てられたのだろう。
一枚のスミ一色の絵に、色んな表現法が詰め込まれている。
今日あるマンガの表現手法が、ほぼほぼ確立されていたように思う。
日本のマンガのベースにはコレがある。
この絵も凄いが、ワタシは彫った人も凄いと思う。
未だにワカランのは、どうやって逆版を彫ったか?
オリジナルの絵じゃないとダメだろ言うから、一発勝負で裏返して貼って彫ったのだろうか?
絵が見えるくらい紙を擦って削ったのだろうと思う。
老眼じゃできないから、みんな近眼だったのだろう。
こういうデフォルメなど、まさにマンガ。
アニメにも通じる。
これをコマ撮りした動画が上映されていた。
立派なアニメの動きだった。
歌麿ほどではないが、当然「女も描けるゾ」っと。
蔦重の耕書堂にも関わっていたんだったか・・・と思ったら、前回の『べらぼう』が関わるキッカケになる話しだった。
肉筆画、という。
【カメラの話】
今回面白かったのが「スマホでの撮影可」だったこと。
ニコンZ50Ⅱを持参していたが、カメラでの撮影はイカンという。
女性が持つプラカードの如きには「カメラのフラッシュを使うのは禁止」と伺えるピクトグラムがあったが、それを聞けば「カメラではダメだ」と主催者に言われている、という。
「スマホのみ可」というのが分かった様な分からない様な・・・
さて、これにはどういう意思が働いているのだろうか?
例えば文化財や国宝などは、フラッシュとかを当てては痛む、ということもあるし、抑もが撮影禁止だったりするが、北斎展に関しては、印刷物で、これ自体は文化財とかでは内だろう。
権利が生じるとしたら、展示のデザインと文章くらいだと思う。
だから撮影可、になっているのだと思う。
チャンとした(^^)カメラで撮ると綺麗に写りすぎるからダメだけれど、スマホの画質なら大したことないから大丈夫ということか?
撮影可と言っても、スマホじゃ音がウルサいけど、カメラは音が出ないのよ、とプラカードの女性には一応言っておいたが、そういうお役目だけで、理解は出来なかったろう。
とにかく、この「カメラはダメ。スマホはOK」の思考は謎だ。
スマホだって、写ることは写る。
ケッコウ良く写る。
写ってしまうことは同じだ。
カメラではOKとしては「ワタシはカメラを持ってない」という人が多数だろうから、不満が出る。
・・・スマホでOKなら、カメラで撮ってもよかろう。
いや、撮れなかったから、そのことを愚痴ってるワケではなく「カメラはダメ。スマホはOK」という思考に興味がある、ということ。
ただ、撮影可にしても、さすが八重洲口の皆様は意識が高いというか、みんながみんなお下品にバシバシ撮っているということは無かった。
音は気になるが、ウルサいというほどでは無く、例えば、庵野秀明展のように、撮ってる人が大多数、というような感じは無かった。
「撮っても良いよ」と言われると考えちゃうのか?
・・・っでもやはり「カメラはダメ。スマホはOK」は謎だ・・・。
このポートレイトはステキだな〜。
・・・そ〜いうワケで、ウチに帰ってから『北斎漫画』、ポチリました。
やはり、日本の絵は「マンガ」なのだと、改めて思う。
『源氏物語』も線を描いて色塗って、という線画が基本だし、光源氏の顔とか、マンガ。
古い絵巻物も、人物は線画でデフォルメされている。
線画で木版で、という形が、より一層「マンガチック」になったのか、と思う。
「初摺り」が重要で、長い間、版を重ねるとすり減ってしまうのだ。
この記事へのコメント
タロウカジャ
それとカメラを許可すると高画素機で撮影して立派な複製を作られる恐れがあるので禁止しているのでしょう。
それにしても撮影可というのはストレスが少なくていいですね。
三日ボーズ
認識としてはカメラにはフラッシュがある、ということがあるんだと思います。文化財とかのフラッシュ禁止は、フラッシュバルブの頃の認識が変わって無いものですが。
北斎展は、いずれもが一点物のオリジナルでは無く、印刷物だという点で撮影可なんだろうと思います。文化財でもないですし。
(さすれば、肉筆画を撮影可にしている点も疑問ですが・・・)