声明の音を探る旅・・
我が真言宗智山派声明(しょうみょう)の音を探るため、久々にCDを聴く。
ゴチャゴチャになる・・・(^o^)
今回は、ライバル (^^) 豊山派のを聴く。
豊山派では、声明の名手で日本の人間国宝の称号を授けられた青木融光大僧正がいらっしゃる。
その声明は、今の孤嶋由昌師に受け継がれていることが分かる。
なんとキイも同じであり、声の質も大変似ている。
今回、改めて青木融光師と孤嶋由昌師のを聞き比べて、若干の変化を感じるものの、概ねきちんと相承されている、ということがわかり、我が方との違いも分かった。
今、我々の声明にも変化あるのを知って、その源流を探る必要があると思い、その研究を始めてみた。
録音が一般人でもできるようになったのは、昭和30年代の後半頃。
それ以前は、録音などできぬわけで、すべて「口伝」による伝承をしてきた。
それは、故・金田一春彦博士も書かれているが、音感が悪いとか、癖が強いとかいうような阿闍梨サンが一人でもいらっしゃると、そこで伝承はおかしくなる。
そう考えると、現在まで残っているのは奇跡のようなものかも知れない。
今ある伝承の一つ前、というようなところを探ることはできるとおもうので、それを今やっておきたい。
さて、どうなりますやら?
キーボードに邦楽の音階を貼り付けた物。
声明には五つの調子があるので、1台に2調子で、同じようなのを合計3台の声明用キーボードを作った。
これは盤渉調と平調の律音階用。
他に壱越調と双調の呂音階用と、黄鐘調の律音階用を作って、合計3台。
現段階では、それぞれの声明の阿闍梨さんが勝手に出している音を拾うということをやっている。
できれば黒鍵の無いものが欲しいくらい。
阿闍梨さんの声もブレるので、出したい音はどれなのか?、という判断も必要になる。
声明は、元々は雅楽と同じで、古典的純正律というよいうなもの。
これは、音と音の間が平均律とは異なり、それぞれ違うので、移調と転調ができない。
逆に、それを解決するために作られたのが平均律ということで、代表的なのはピアノ。
あれは、どの音を叩いても純粋な和音にはならない、妥協の三佛とも・・・いや、産物と言っていい。
最終的には、雅楽と同じ音で、昔の人は反音(へんのん)という転調などを、どういうイメージで音を作っていたのかというようなことを探ってみたいと思うのだが・・・
なんで同じのが3セットある?(^o^)
なんでも、この瑜伽師(智山派を公称しての最初の能化様)のお寺は平成になって火災に遭い、多くの資料は無くなってしまったという。
大きな損失だと思う。
我が方の声明の阿闍梨さんのCD。
御詠歌のCDも、各先生が勝手なキイで音を出している。
まったく困ったことだ。
そういう音楽的知識が無いのが困る。
声明の阿闍梨さんも、勝手なキイでだしているから、平均律のキーボードで出してる音を探すというわけだ。
人間のやることなので、まあ、個人差はある。
そういう人たちが、何百年と口伝で伝えてきたものだ。
長い間に、変化もあろう。
それにしては、智山派と豊山派の声明の違いは僅かと言える。
高野山のが、もとは同じなのに、大きく崩れてしまったのと比較すると感心することだ。
しかし、ワタシが知ってる範囲でも、唱え方が変わってしまっている所が何カ所もある。
豊山派でも、先の青木融光大僧正から、今の孤嶋師まででも、若干の違いが見られる。
同じスパンだと、ウチの方にも明らかに変わってしまった所がある。
そういう違いをキチンと説明する、節回しに理由付けをする、というのが今回ワタシが目指すところ。
声の問題を文章にするというのが、難題か・・・。
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