ネットにあふれているのが「フルサイズだから解像力が高い」というご意見。
これがまかり通っている。
・・・そういうことではないよ、という検証をしてみる。
上の写真の一部を切り取ります。
▲パナソニックG9+オリンパス12-40mm
ISO200、絞りf.4
▲オリンパスE-M1 Ⅱ+12-40mm 絞りf.4
オリンパスのミラーレスは昔から輪郭補正が強いイメージがあった。
パナソニックも輪郭補正が効いているが、輪郭補正の線が細い感じがする。
パナソニックの解像感が高く見えるのは、こういうことか、と思う。
▲ニコンZ 6Ⅱ+50mm マイクロ f5.6
輪郭補正が弱いのがわかる。解像感はそんなに変わらない。
▲ニコンD500+シグマ18-35mm f5.6
意外に輪郭補正が強かった。
画素数が少ない分メリハリを付けようとしたのだろうか?
単に、画像処理エンジンが古いからか?
私の感覚では、トーンの出方から輪郭補正はあまり強くない印象だったが、意外に強かったのか・・
▲フジGFX+35-70mm
これは別格である。
5000万画素なので、他と倍違うのだから仕方が無いが、では、フルサイズも5000万画素クラスだと、これくらいに写るのか?
画素数からくる解像感と、JPRGのトーンの出方が相まって、独特の画質を生んでいるのは確か。
しかしこれが「クセ」でもあり、クセの無さならニコンの方が良いと思う。
フジを除いて、大胸・・いや、おおむね、2000万画素クラス。
厳密には画素数に違いはあるが、解像感の比較という点では大きな違いとはならない。
当たり前のことだと思うが、解像力はセンサーの画素数に依存する。
センサーサイズによるものでは無い。
同じ画角で撮った場合、画素数が同じならば解像力は同じである、これがデジタル。
一応、光とレンズと、その結像という点は物理的なものなので、一概には言えないが、それよりも、画素数と解像感という観点の方が確かなものと言える。
結論的としては「センサーの解像感・画質」ということの厳密な比較は不可能であるということになる。
同じレンズを使えばセンサーサイズで画角は変わってしまうし、センサーサイズが変われば、同じ画角で撮れる同じレンズは無いのは、当たり前。
レンズを含めた上でのセンサーサイズということは言えるだろう。
単純に、フルサイズの方が、APS-Cに比して良いレンズがあるということ。
レンズを含めたシステム全体として、比べることしかできない。
だから、センサーサイズによる解像力の違い、というだけの厳密な比較はできない、というのが大前提なのだ。
実際に比べてみると、どれも同じような解像感で写っているということが分かっていただけるかと思う。
▲パナソニックG9
▲オリンパスE-M1 Ⅱ
▲ニコンZ 6Ⅱ
▲ニコンD500
▲フジGFX
こうしてみると、センサーサイズによる解像力の違い、ということは概ね無い、と言えるのが分かっていただけるだろうか?
センサーサイズより、そのカメラの画像生成エンジンの影響の方が大きい。
輪郭補正だったり、コントラストだったり、その違いは、例えば同じ「スタンダード」と呼ぶものでも全メーカーでまったく違うので比較はできない。
結局の所、JPEGによる画像生成の違いが大きい。
RAWでも、基本的に違いがあるはずだが、カメラが生成する画像を好きになれるか?・・・というのが「画質」でカメラを選ぶ基本となる。
・・・ということで良いのだと思う。
フジの他の倍ある画素数の影響が、フルサイズ、APS-Cにも言えるのか?
同じ5000万画素ならフジ、キヤノンとか同じ解像感・画質なのかは分からない。
確かめてみたいが買えない・・・
そしてレンズの性能というものの違いが大きい。
その昔、フィルムでは、4×5版だろうが、ブロニーだろうが、ハーフサイズでも、フィルムが同じだったから、単位面積(長さ)あたりの分解能は同じだった。
その単位になる長さの中に何本の線を分解できるか、という分解能は、実は、フィルムのフォーマットが大きくなるほど大まかになっていた。
35mm用のレンズとブロニー用のレンズでは、35mm用の方が分解能が高かった。
大きなフォーマットになると、焦点距離も伸びるので、そうなると色収差はじめ収差の補正が大変になるのと、そこを上げなくても、フィルムへの縮小率が低く、フォルムからの拡大率も低いことによって、ブロニーフィルムには、35mmフィルムほどの分解能は必要無く、それでも高画質だったのだ。
フィルム自体の平面性も悪かったので、今のような厳密な設計も必要では無かったのだ。
今は、フィルムにあたるセンサーの方の単位長あたりの解像度が上がっている状態であり、また、単位であるピクセルから見ると、μ4/3もラージフォーマットも同じ1ピクセルであるため、レンズにもフォーマットの違いによる性能差というのもあり得ない状況となって(いずれもピクセル等倍というバカな鑑賞の仕方があるためもあって・・)、フォーマットが大きくなるほど、設計が厳しくなり、当然、高く・大きく・重くなる。
単位長あたりの解像度に同じレベルが要求されるのだから、設計は大変だし、その分、大きなフォーマットは画質が良くなるということもでもある。
GFXの画質が良いのは、ラージフォーマット故なのか?、それとも5000万画素故なのか?
それは2000万画素クラスのラージフォーマットが無いから分からない。
一方、フルサイズも、5000万画素ならGFX50と同じ解像感になるのかは、5000万画素機を買えないので分からない。
結局薬局、こういう性能差というのが一応あるにはある。
しかし、写真を撮るという目的の中の、どういう写真をどういう風に撮るか、ということによって機材は選ばれる感じ。
まぁ、どれをお使いになしましてもねぇ〜、同じようなものですが・・・
・・・ということになる。
同じメーカー内でもセンサーの違いと画質という比較はできないのだ。
同じメーカーでもカメラによって画質は違うし、レンズも含めたシステム全体を以て、そのカメラがどういう絵を撮らせてくれるのか?ということにかかってくる。
カメラ系YouTuberが、YouTubeの画面の中でデジカメの画質を比較しているという訳のわかんないことをやっている。
そんなんで分かるわけがなかろう〜!とイライラする。
その時点で写真が分かってない、と思うし、そんな意識で分かった様に比較とかするな!と言いたい。
・・・ということで、少なくともそれよりは分かり易いブログでやってみた次第でございます。
ワタシ的には・・・
GFXの圧倒的高画質は分かった。
ホントはレンズを買いたいが、手が出ない。
フルサイズは、レンズの面白みだろうと思う。
単焦点レンズで撮ることが面白いし、色んなレンズがある。
μ4/3は、扱いやすさ。
明るい所であればフルサイズも何も関係ないから、大きさも含めた使い易さになると思う。
今後は動画ということも視野に入れてのことだけれど・・・
μ4/3は、用途によって高感度をどこまで許容するか?、という感じでISOオートの最高感度を決めて、画質が優先される時にはフルサイズなりにする、という使い方がいい。
この記事へのコメント
タロウカジャ
上記2機種のセンサーサイズや画素数にはあまり気になりません。
最近は、何を撮影したいのかどのように表現したいのかが大事だと思っています。
三日ボーズ
まぁ、今のカメラは「どのカメラの絵が気に入るか」「どれが使い易いか」ということになるので、画質の比較は無意味なのですが、中でも、フルサイズは解像力が良い、という認識が多いのでやってみました。
007
三日ボーズ
m(_ _)m
ひるのいこい
三日ボーズ様のように自分で購入して自分で比較ならともかく,キャリブレもしていないモニターで メーカーからアゴアシヨイショつきですから忖度ありまくりになるのは仕方が無いんでしょうね。(プロモーションとちゃんと銘打っていないだけ罪は重いか。)自動車評論家とどっこいどっこいかもしれませんね。せめて初期暮しの手帖くらいの覚悟ががあるレビュアーが(いたら潰されるか)。
今度うちに来る4800万画素は どうなんだろう…(注)Iphoneの話です。
三日ボーズ
よく見ていただくとシャドー部の描写が違ってます。
パナソニックが一番潰れているのが分かります。コントラストが高いということで、これが、ぱっと見のパナソニックの描写の良さになってるように思います。
フジのJPEGはかなりダイナミックレンジの補正が入ってますね。
μ4/3とフルサイズと、同じ画角で同じ画素数だったとすると、より縮小(小さく結像)することになるμ4/3に結像する画像と、フルサイズへの結像する画像とが、光学的・物理的に同じとは思えない、というのが、考えられる「差」なんだと思います。
これも、レンズ設計がフィルム時代に比べて格段に進歩しているので、良く分かりません。
いち早くメーカーから機材提供を受けて忖度してるカメラ系YouTuberが目障りでショ〜ガナイ。(^o^)
そ〜いうのはほとんど見ませんが。