根来寺で遺経会

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「涅槃会の会」という集まりがあります。
真言宗の声明には大きく古義・新義とあり、新義の中に我が智山派と長谷寺の豊山派があり、大きく分けて三流があるわけですが・・・

その中の、主に豊山派が中心となって集まったのがこの「涅槃会の会」です。

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涅槃会の会(Facebookのプロフィールより抜粋)
この会は添野智譲師・孤島由昌師・新井弘順師の三師を発起人とし、平成4年に明恵上人の遺跡である栂尾高山寺で四座講の常楽会を行って以来、宗派組織を超えた完全有志によるお釈迦様の威徳を偲ぶ法会として、年に一度の涅槃会を行ってきております。現在は毎年会所を替えながら常楽会法則による一座講を行っていますが、宗派にとらわれず新義(豊山声明)古義(南山進流)他各派それぞれの声明・法儀にて合同に執行する珍しい法会でもあります。

数年前、智積院を会場(えじょう)としたときに、ここに智山派が加わったのだと思います。

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今回は、会場となった根来寺の新義真言宗も加わっての法要となりました。
新義真言宗というのは、元は豊山派ですので、声明・法流とも豊山派と同様であると思われます。

今回の法要の14日といえば「だだおし」という長谷寺最大とも言える恒例行事の真っ最中。
長谷寺からの出仕は殆ど無く、豊山派は4~5名とか。
おそらく、この法会が決まったときに、できれば根来寺の涅槃会に合わせたい、という申し出があったのかも知れません。
豊山派中心なら「いやっ、今日はダメな日なの~」・・・・だったはず。

13日午後3時過ぎ、「佛遺教経」を読む「遺経会」が催されました。
ここで読む「佛遺教経」は、智山と豊山だけが「節付き」で読むので、この日は、古義が入らず、新義だけの読誦だけになったものと思われます。

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もとより冷え込んだこの日、すきま風の入るお堂は、そりゃ~も~、寒かったですが、お堂がとても良い雰囲気。
そこで読まれる遺教経は、とても良いものでした。

先日の地元の智山青年会の法会を聴いて、今回のを聴いて、豊山と智山との読み方の相違が、まあ、殆ど無く、なんとなく分かったように思います。
豊山には、江戸末期に智山から入ったらしいので、同じわけですが、相違があればそれはそれで貴重な資料です。

声が出るウチに、音位の確かな状態で読んだものを録音したいと思っています。
理論的に確かな音で唱えた録音が無いので、ソコだけでも注意した録音の必要性を感じています。

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