なんだかな・・・の講習会
季節外れの教区講習会ですた。
テーマは「読経とご詠歌のもうひとつの効果について」・・・
講師は「ヴォイスティーチャー」なんだそうな、の、高牧康 氏。
国立音楽大学 音楽学部声楽科卒業。
信州大学教育学部研究生として生理的アプローチからの発声指導法を研究し、それをもとにした音痴矯正、吃音矯正、プレゼンテーション技法としての発声術などの研究、指導にあたる
・・・んだそうな。
プロフィールには「自慢」が並ぶ。こういう人は、苦手だ。
・・・と思っていると、その講義の仕方も、大嫌いなパターンの最たるもの、で、はじめの2分で帰りたくなる。
(>_<)
・・・が、頑張って聴く。辛かったけれど、それは、私の勝手な思い、つまり我が儘。
ガマンして聴いていると、なるほど、という点も僅かにある。
「声帯萎縮」ということ。
声帯は筋肉なので、鍛えれば鍛えられるということと、それが加齢で緩むと、大阪のおばちゃん的ダミ声になる・・・というのを聴いたことがある。
自分としては、高校の頃からだろうか、レコードに合わせて歌を歌うとうことをやっていた。
キイが自分よりちょっと高い人の歌に合わせて歌う。
アニメや特撮の歌が良い。
ワタシとしては、「ヒデ夕樹」さんがいい。
「スターウルフ」とか「怪傑ライオン丸」とかの歌が、ちょっとキイが高くて、一部裏声になるのでいい。
最近、それを思い出して、車の中で歌ったりしているですよ。
ホントは、音域が伸びないか?・・・と思っていたのだったけれど・・・・変わりません。
変わらないように、鍛えている、と思っております。
声帯を伸ばしたり縮めたりする「披裂軟骨」という部分に、使われないと脂肪が溜まってその動きが鈍くなるんだそうな。
その動きが鈍くなると、声帯のもう一つの役割である「気管のシャッター」としての動きが出来なくなって、誤嚥(ごえん)がおきる。
そして、正月の餅を喉に詰まらせる、ということも起こる。
・・・65歳ごろから、このリスクが高くなる。
どうして動きが鈍くなるか?
→使わなくなるのは何故か?
→定年退職→家にいる→あまり話さない
→家族が減る→パートナーがいなくなる→話さなくなる
・・・ということだと。
その為に良いのが、「裏声を出す」というらしい。
上声を出すと、いわゆる「ノドチンコ」が跳ね上がる。
声帯もイッパイに伸びる。
これは「なるほど」だと思う。こんどのお通夜で話そうと思う。良いネタ貰った♡、と思う。
この講師は、「裏声」に対するこだわりがあるよう。
裏声の効果、という研究をされ、指導をされているよう。
・・・しかし、それからが良くなかった。
講義の後半は、ご詠歌の唱え方に関わらせての解説が始まった。
冒頭の写真にある、「声域」に関しては、今、調べているところだったので、参考になったものの、音大を出ていて、・・・いや、音大で勉強したからこその、根本的な間違い、認識の違いがあったのでした。
ご詠歌で「裏声」を使うときがあります。
それは、斉唱するとき、複数以上で唱えるときに、誰かの声、どこかのキイに皆が合わせることが必要になって、キイが合わない人が、高いところを裏声で対処する、という時があるわけです。
特に、我が方の場合、師範は圧倒的に男なので、やはり圧倒的多数である女性の講員さんに教える、というのが、どだい無理な話しで、女性の多くは、その師範のキイに合わせて「裏声」を使う。
そこで裏声を使うことが、この「裏声一番」な講師は、良いという訳です。
写真の「換声点(かんせいてん)」という、男女のキイが交わるところ、そこが裏声になることで対処するところだそうな。
講師が言うには、男と女の声は、1オクターブ違うという。
・・・いやいや、1オクターブならピッタリ合うはず。
それがズレているから困るわけです。
そう、男でも女性でも「個人差」があるでしょうが。
それを講師に聞いたら、キイの低い男と、キイが一番高い男では、5音くらいの開きがあるという。
同じ男でも、5音。
だから、男同士でも裏声で対処したり、キイを上げ下げする必要がでてくるわけです。
それが、対・男女ということだと、例えば女性も5音の開きがあれば、最大で、10音。
「換声点」も、1オクターブ以上有ることになる。
もっとも、そうなれば、上と下のオクターブで合わせれば、裏声の必要もなくなるのではないでつか?
写真の図の音をキーボードで出して、男の場合この音で、女性はこの音、とやっていましたが、そこでは「キイの個人差」という一番の問題が語られていませんでした。
この矛盾点に、講師は気がつかないのでしょうか?
それに、ご詠歌で裏声を使うのは、あくまで非常手段。臨時的対応な訳ですよ。
それを、ご自身の「裏声が良い」理論と結びつけて語られては困るわけです。
裏声を使わないで唱えるのが、本来なのは当たり前でございましょ。
ご詠歌の講習会で、キイの合わない師範のキイに合わせて無理遣り唱えて、うちに帰ってから、そのキイで、健康に良い裏声を使ってわざわざ唱える人はおらんでしょ。
逆に、講習の時の自分には合わないキイを持って帰って、そのキイでもって、自分ちで一人で唱えられるような絶対音感の持ち主が、ご詠歌の講員さんにいるとは思えません。
みんな、一人で唱える時は、習った時の音階を覚えていて、それを「相対音感」でもって、自分が出しやすい「自分のキイ」にして唱えるのでしょう~よ。
普通の歌だって、一人で歌うときはそうでしょ~よ。
自分の音域で唱えるから気持ち良いのであって、裏声を使うのは本義じゃない。
健康に良いと言っても、気持ちよい者ではないし、不自然なこと。
声明も、古くから「一般的な成人男子の音域」を「2オクターブ」と決めていて、その音域で唱えるようになっています。
これは、昔は絶対音階で唱えていたようですが、呂律(ろれつ)が回らなくなって(^^)/・・・相対音感になってしまいました。
少なくても、我が智山派の声明は、相対音感です。
ご詠歌の師範もそうです。
かつて、これからは、特に寺庭婦人に、ピアノなどの経験がある人が入ってくるから、師範も音楽の理論をキチンと勉強する必要が出てくる。
少なくても、相対音感を確定できる「コンダクター」は使えなくてはいけない・・・と、音楽理論の必要性を言ったのですが、師範の皆様のご理解は得られず、ご詠歌からは撤退したのですが・・・
この講師は、師範会でも講義してるらしいのですが、さて、理解できたでしょうか?
いや、この講師の言ってることが間違っている、ということに気がついたでしょうか?
音大でキチンとした絶対音感的な音楽理論を勉強しちゃうと、相対音感で成り立っている日本の声楽を理解することが、案外、難しいんだと思う。
そんな講義だった・・・。
上記のことは、終わってから講師に話しました。
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